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調子(ガンマ)補正編

絞り開放付近でのマクロや近接撮影では背景が大きくボケるので、ボケの美しさや特徴を活かした調整がおすすめです。

今回の例はボケのグラデーションをコントロールし、明るく優しい雰囲気の写真に仕上げます。


RAWデータの開き方やJPEGへの変換方法の手順など、RAW現像初心者の方や、SILKYPIXの基礎を学びたい方は初めに「SILKYPIXをつかってみよう」をご覧ください。

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調整前

データを開いたままの状態です。まずここで調整の目標を決めます。

5_06_01

① 写真全体の色の濁りやくすみ

写真全体の色が濁っていて鮮やかさが足りない。

② ボケの雰囲気が弱い

背景のボケを柔らかく表現したい。

曇りの日に撮影した花の写真です。曇っているおかげで、ハイライトが柔らかく表現できていますが、コントラスト感も無く色も濁っています。そのため、背景のボケも弱く感じられます。


露出(明るさ)の調整

明るく調整5_07_01

① 花が明るくなるように調整。しっとりとした質感を残すために、白い部分の階調は少し残し気味になるように露出を設定。
白とびギリギリまで明るくすると少し硬い表現なる場合があります。

露出補正 調整値:+0.8EV(明るく補正)5_07_02

白い被写体の露出

被写体の「白」は同じ明るさでも、写真全体の絵柄の雰囲気や色のバランスで相対的に違って見えます。
「白」をどの明るさで見せたいのか(明るめが良いのか暗めが良いのか)、画面を見ながら露出を設定すると良いでしょう。


ホワイトバランス

花の青を強調し、全体をまとまりのある色調感へ。5_08_01

色温度 調整値:撮影時設定/5200K(ケルビン)⇒4600K(ケルビン)

5_08_02花の青を強調するためにホワイトバランスの「色温度」を青い方向へ調整。

写真全体の色味を考える

写真全体を引きで見た時の第一印象はとても重要です。今回の写真では花の青と共に、背景の緑から茶色味を抜き、写真全体を寒色系でまとめて色調に統一感を出すためにもホワイトバランスを使用しています。写真から感じる第一印象が青っぽい写真になるようにしました。


調子~ガンマ~

中間調の明るさを明るくし、柔らかいボケを表現5_09_01

調子~ガンマ~ 調整値:1.55

5_09_02ガンマを高く設定しハイキ―気味にする事でボケの柔らかさを調節。

ガンマは中間の明るさ調整

ガンマを高く設定すると「ハイキー(明るめな調子で構成された写真)」、低く設定すると「ローキー(暗めな調子で構成された写真)」になります。この例では背景のボケに注目してボケ足が柔らかいグラデーションになるように調整しています。


調子~黒レベル~

シャドーを締めコントラスト感を出す5_10_01

調子~黒レベル~ 調整値:17

5_10_02
ガンマで浮いた暗部を黒レベルで締めて調整。
この例ではあくまで柔らかい雰囲気を損なわない程度に。

黒レベルはシャドーの調整

黒レベルを高く設定すると暗部が締まって(より暗く)なってきます。そのため、この場合、明るい花の白が引き立って見える効果があります。ガンマで設定した柔らかい背景のボケが不自然にならない程度に留めて設定しています。


カラー(彩度)

最後の仕上げに鮮やかさを調節する5_11_01

彩度(鮮やかさ) 調整値:+1.20

5_11_02彩度を高く調整すると色が鮮やかになります。

ナチュラルに仕上げるのなら彩度の上げすぎには注意

淡い花のグラデーションが不自然にならないように注意しながら彩度を設定すると良いでしょう。


調整前/調整後

色調にまとまりがあり、柔らかい雰囲気の写真に仕上がりました。5_13_01

 


 

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