2018年11月9日
暗部ノイズ除去強度設定
今回は、『暗部ノイズ除去強度』についてご紹介いたします!
SILKYPIX Developer Studio Pro9以降ではノイズリダクションの調整項目に「暗部ノイズ除去強度」の調整項目を追加しました。SILKYPIXのノイズリダクションは、より高画質を実現するために、画像の明るい部分と暗い部分で、ノイズリダクションの処理をそれぞれ最適化しています。しかし、稀にRAW調整時に露出補正やシャープの調整加減により、暗い部分のノイズが目立ってしまう場合があります。こうした時にノイズ除去スライダーで「ノイズ除去」を強めてしまうと写真全体がボケてしまうという副作用が発生してしまいますが、新機能の「暗部ノイズ除去強度」を設定することで、画像に適した暗部ノイズ除去を適用することができます。
暗部ノイズ除去強度とは
SILKYPIX Developer Studio Pro9以降のノイズリダクションには「ダイナミックデフォルト」と呼ばれる、撮影時のISO感度に応じて最適なノイズリダクションが適用されるようになっています。そのため高ISO感度を使用した場合でも、調整無しの状態でノイズの少ない画像で表示されます。しかし、様々な調整の条件によって、画像のノイズレベルが変化し、初期状態と比べて暗部のノイズが目立ってしまう場合があります。
例えば
・RAW現像時に露出補正をプラス側に補正した場合。
・HDRや覆い焼き、ハイライト・シャドーなどの階調補正の機能を使い暗部を明るくした場合。
・調子やトーンカーブで暗部のトーンを明るく表現した場合。
・シャープを高く設定した場合。
「暗部ノイズ除去強度」ではこのように暗部で目立ってしまうノイズのみを緩和させることができます。
一般的にノイズ除去を強くすると、写真が少しぼやけたようになるため、過度な調整は写真の鮮明さを損なう原因となります。この機能では「暗くノイズが多い部分」に対してノイズ除去の強さを調整することができます。そのため、「明るくノイズが少ない部分」に対してはノイズ除去がかからず、明部では写真の鮮明さをできるだけ維持したまま暗部のノイズ調整が可能となりました。
暗部ノイズ除去強度の設定
「暗部ノイズ除去強度」はノイズリダクションの中にあります。
暗部ノイズ除去強度(ドロップダウンリスト)
初期値ではドロップダウンリストから「標準」が選択されています。暗部のノイズが気になる場合には、ノイズレベルに合わせて「少し強め」、「強め」を選択することで暗部のみのノイズを緩和することができます。
調整例1
上の写真の暗部と明部をそれぞれ「暗部ノイズ除去強度」を「標準」、「少し強め」、「強め」で設定したものが以下になります。
「標準」の状態では暗部に輝度ノイズ(粒状感)が多く確認できます。
「少し強め」に設定すると輝度ノイズがやや緩和されます。
「強め」に設定すると輝度ノイズがさらに緩和されます。
明部では「暗部ノイズ除去強度」を変更しても変化が無く、鮮明さを維持しているのがわかると思います。このように「暗部ノイズ除去強度」では明るい部分には影響が無いのが特徴です。
調整例2
上の写真の暗部と明部をそれぞれ「暗部ノイズ除去強度」を「標準」、「少し強め」、「強め」で設定したものが以下になります。
暗部に対してはノイズ除去の効果が調整できます。
明るい部分では変化がありません。
ワンポイント(使用上の注意点)
絵柄やISO感度などの撮影状況によっては「暗部ノイズ除去強度」を高く設定しすぎると暗部のコントラストが低下したり、写真がぼやけたように鮮明さが損なわれたようになったりする場合があります。
この状態を確認するために「暗部ノイズ除去強度」に限らず、「ノイズリダクション」全般のパラメータを調整する際にはプレビュー画面を「100%表示」にし、拡大して調整してください。
今回の例をご参考いただき、ぜひ皆さまの写真でお試しください。
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